ファミリービジネスにおけるリーダーシップとダイナミクス
WIFU寄附講座「ファミリービジネスにおけるリーダーシップとダイナミクス」は、ファミリービジネスと経済との相互作用に関連する心理学、家族心理学、ならびに社会学的な問題に焦点を当てた研究と教育を行っています。システム理論の観点では、ファミリーとビジネスとは、時には矛盾とさえ見えるような非常に異なる予期構造を持つ2つの社会システムとみなされます。そのため、構成員はしばしば自分たちがパラドックスに陥っていると感じます。
具体的には、さまざまな規模のビジネス・ファミリーがこのような“不可能性”にどのように対処しているのかを調べるために、次のような問題に取り組みます。
- 具体的にどのような葛藤があり、どのように対処しているのか。
- 中長期的に策定された具体的なファミリー戦略のうち、どれが持続可能なのか、ファミリー・ガバナンスにおけるどのような手段が、どのようなグループに対して有効なのか。
- そして、事業承継をめぐりファミリーと企業との間にどのような問題が生じ、それらに対処するためにビジネス・ファミリーはどのような対策を培ってきたのか。
講座責任者の紹介
アリスト・フォン・シュリッペ教授(Prof. Dr. Arist von Schlippe)は、折紙付きの心理学者、精神療法士、
家族心理療法士、家族心理学者です。オスナブリュック大学で心理療法と臨床心理学の博士号とハビリテーション(大学で教える資格)を取得しました。彼のキャリアは、2 つの児童・青少年精神科クリニックの病棟マネージャーとして 5 年間勤務したことから始まります。1981年にはオスナブリュック大学に移籍し、2005年まで「心理療法と臨床心理学」というテーマで教鞭をとり、研究を行っていました。2005年、WIFU冠講座「ファミリービジネスにおけるリーダーシップとダイナミックス」の責任者に就任しました。また、2007年から2017年までWIFUのアカデミック・ディレクターも務めています。2017年からは、教育負担を軽減してWIFUの教授を継続しています。
主な業務と研究分野
- ファミリー・ガバナンス
- 事業承継
- ファミリービジネスの沿革 (「創業の歴史が持つ力」)
- 価値観とビジネス文化の伝承
- コンフリクト・マネジメント
- 世代を超えた企業家精神
- 親への体系的なコーチング